この記事では、スーパーカブ110(JA44)のフロントタイヤの交換方法について説明していきます。JA10のフロントタイヤの交換手順も同じです。
前回の記事では、リヤタイヤの交換について説明しました。リヤタイヤとフロントタイヤでは、駆動輪であるリヤタイヤのほうが摩耗が早いのが一般的です。
走行距離1万5千キロを超え、リヤタイヤはスリップサイン間近となりましたが、フロントタイヤはもう少し余裕があります。
まだしばらく使えるとは思うのですが、早く前後ともM35のタイヤを履いてみたかったので、フロントのほうも交換することにしました。
交換前のノーマルタイヤ
1万5千キロ走った状態のリヤのノーマルタイヤです。銘柄はチェンシン(CST)製のC6016、サイズは80/90-17M/C 44P です。
新しく交換するタイヤに選んだのは、
MICHELIN(ミシュラン)のM35(2.50-17 43P) です。
ちなみに、タイヤの選び方については以下のの記事に詳しく書きました。
スーパーカブにおすすめのタイヤ|JA44/JA10、AA09/AA04用など
使用した工具
タイヤ交換に必要な工具は、ホイールを取り外す際に必要なレンチと、メーターケーブルを取り外すときに必要なマイナスドライバー等と、タイヤ交換特有の工具である
- ムシ回し(バルブコア回し)
- タイヤレバー
- リムプロテクター
- ビードクリーム
です。
リヤタイヤ交換の記事でも紹介しましたが、今回は
と、
を使用しました。
フロントタイヤ交換方法
タイヤ交換の手順について説明していきます。
フロントホイールの取り外し
タイヤ交換のためには、ホイールを取り外す必要があります。リヤに比べるとフロントは短時間で済みます。
まずバイクのエンジンを切り、水平な場所にセンタースタンド(メインスタンド)でバイクを立てます。
ブレーキアジャストナットを左回しに回して外し、ブレーキケーブル、ブレーキアームジョイントピンを外します。
次にスピードメーターケーブルを抜きます。赤丸部分のタブをマイナスドライバー等で押しながら引っ張ると抜けます。
ケーブル二本を外せたら、アクスルナットを緩めて外します。
フロントアクスル(シャフト)を引き抜くとフロントホイールが外れます。
タイヤの取り外し
ホイールが取り外せたら、古いタイヤを外す作業に入ります。
タイヤ交換時は、右側のサイドカラー(スペーサー)とブレーキパネルを外しておきます。
ムシ回しをでエアバルブを外し、空気を抜き、エアバルブのロックナットを外します。
ビード(タイヤの内側の淵)がホイールに固着している場合は、一旦両側のビードを落とす(内側に押し込んで一度分離しておくこと)とタイヤが外しやすくなると思います。
リムプロテクターをはめ、タイヤレバーを使って片側のビードを外側へ外していきます。
チューブはタイヤとセットで新品にするのが安心ですが、再利用する場合は片側のビードを外した時点でチューブを傷つけないように取り出しておきます。
もう片方のビードも外すとタイヤが外れます。リヤタイヤに比べると全体的に少し外しにくかったです。
ホイール内側は少しサビが発生していました。
新旧のタイヤ比較
古いほうは幅が70ミリ、新しいほうは幅が2.50インチ(約63.5ミリ)なので、太さが違います。
新タイヤの取り付け
ホイール内側のサビを落とし、リムバンドが劣化していたら新品に交換しておきます。
新しいタイヤを取り付ける前に、ホイールのリム部分とタイヤのビード部分の内側と外側にビードクリームを塗ります。
新しく取り付けるタイヤM35は、タイヤの回転方向の指定がないので、どちら向きに取り付けてもかまいません。
片側のビードをはめたら、たるみが出ないようにチューブを入れていきます。
一通りはめたら、少し空気を入れてみて全体を慣らしておくとよいでしょう。
再び空気を抜き、もう片方のビードをはめ、バルブが垂直に出ているか確認します。
大丈夫そうなら空気を入れ、ロックナットを締めます。前輪の適正空気圧は200kPa(2.00kgf/㎠)です。
ホイールを車体に取り付ける前に、ドラムブレーキ部分の清掃と、スピードメーターギアの歯面と摺動部をグリスアップしておきます。
元通りにホイールを車体に取り付けていきます。フロントアクスル摺動部もグリスを塗っておきます。
フロントアクスルナットの締め付けトルクは、59N・m(kgf・m)です。
スピードメーターケーブルの接続部にもグリスを塗っておきます。ケーブル類も全て取り付けて完成です。
おわりに
フロントホイールはリヤホイールの取り外しに比べると楽ですが、ホイールからのタイヤの脱着は、リヤに比べると固くてやりにくかったです。ビードクリームをつけなければ、固くてとても入らないような状態でした。
前後ともM35に履き替えて乗ってみましたが、今までのタイヤと比べて柔らかく路面に食らいついているような感じがします。しばらくM35の乗り味を堪能してみたいと思います。
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いつも興味深く拝見させていただいております。同じカブ乗りとして大変参考になります。私も以前のJA10にミシュランを履かせてました。履き潰すまでは乗らずにJA44に乗り換えてしまったのでライフは分からないのですが、乗り心地が比較的良く、グリップも良好でカブでのコーナーが楽しかった記憶があります。
これからもずっと続いて下さい。
コメントありがとうございます^^
以前ミシュランを履かれていたんですね。私のはM35に履き替えて現時点で500キロほど走りましたが、接地感がよくコーナリングやブレーキングも安心度が増したように思います。やはりノーマルのタイヤとは違いますね。
これからもよろしくお願いいたします!
JA10の前後タイヤ・チューブ交換に参考にさせていただきました。ありがとうございました。前後タイヤはDunlopの、70/90-17,80/90-17を付けましたが、タイヤが固く、普通やってる片方のビードを入れて、チューブ入れて、もう片方のビードを入れる方法はうまく行きませんでした。他の方が言われてたタイヤにまずチューブを入れて少しふくらませ、そのまま入れて行く方法がうまく行きました。ビードクリームを両ビードに塗って、もちろんレバー先でチューブに穴をあけないよう細心の注意しました。ビードプロテクターははじめは使ってましたが、面倒で、この鉄リムには傷がつかないみたいなのでなしてやりました。今は酷暑ですが、冬だともっと固くやりにくいだろうな感じました。
コメントいただき、ありがとうございます^^
タイヤによって、はめやすさに差はあるんでしょうね。ダンロップ製タイヤも安定した品質で良いですよね。慣れた方ならビードプロテクター無しでも大丈夫だと思います。
猛暑の中でタイヤ交換は大変ですね。私は少し前にリヤタイヤを交換しておきました。でも冬は冬でタイヤが固くなるという難点がありますね。