バイクのエンジンの動力をタイヤに伝えるための重要な役割を担っているのがドライブチェーンです。

バイクを走らせていると油が切れてきたり、たるみ(遊び)具合が基準値からズレてきますので、定期的な点検が必要となります。

この記事では、スーパーカブ110(JA10)のチェーンのメンテナンスについて説明していきます。

チェーンのメンテナンスはどのくらいの頻度で行うかは使用状況によって異なってきますが、500キロ走行ごととか、1か月ごととか自分なりに決めておくとよいでしょう。

 

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チェーンのチェックポイント

ドライブチェーンのチェックは主に以下の2点です。

  • チェーンの遊び(たるみ)
  • チェーンのグリス(オイル)

 

チェック前に安全のため、まずはギヤをニュートラルに入れ、エンジンを停止してから行いましょう。

ではそれぞれについて説明していきます。

チェーンのたるみ(遊び)

まずチェーンのたるみをチェックします。

点検方法

チェーンカバー下にある点検窓から行えます。黒いキャップが付いていますので、それを外します。

 

キャップを外すために引っ掛ける切れ込みがありますので、そこを小さなマイナスドライバーでこじるか、指の爪で引っ掛けて手前に引っ張ると外れます。

 

点検窓からはチェーンの一部が見えますので、チェーンのたるみ具合をチェックします。

 

チェーンカバーに張り付けられているシール(ステッカー)にも書いてありますが、たるみは20~30ミリくらいが基準値です。張りすぎていてもたるみすぎていてもダメということです。

チェーンが張りすぎていると、チェーンやスプロケットが摩耗しやすくなったり、チェーンが切れたりする危険があります。逆にたるみすぎていると変速時のショックが大きくなったり、チェーンが外れたりする危険があります。

チェーンのたるみ具合が基準値内であれば、調整は不要です。チェーンの注油に進んでください。

たるみの調整方法

チェーンのたるみ具合が基準値にない場合は調整が必要ですが、自分でやりたくなければバイク屋さんに調整してもらってください。

 

では、たるみの調整方法に入ります。

まずはリヤのアクスルナットを緩めます。

 

そしてスイングアームの後ろ(外側)にある左右のロックナット(10ミリ)を緩めます。

 

ロックナットの奥にあるのがアジャストナット(12ミリ)です。こちらを左右調整してたるみが20~30ミリになるようにします。

 

状況がわかりにくければ、チェーンカバーを外してしまってもいいでしょう。

 

左右の目盛りが同じになるようにします。

 

調整後はロックナットをしっかりと締めた後、アクスルナットを締めます。

リヤのアクスルナットの締め付けトルクは59N・m(60kgf・m)です。

 

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チェーンのグリス(オイル)

続いてチェーンのグリスアップです。こちらはチェーンの張り具合の調整に比べて簡単です。

しかし、こまめに行う必要があります。

先ほどチェーンカバーのキャップを外した点検窓からスプレー式のグリス(チェーンルブなど)を吹き付ける方法が一番手軽にできると思います。

 

注油する前に、チェーンの汚れがひどい場合はウエスでふき取るか、柔らかいナイロンブラシを使って汚れを落としましょう。

洗浄剤を使う場合は、専用のチェーンクリーナー(ワコーズ CHA-C チェーンクリーナー)などを使用するのが無難です。

チェーンに注油する際は、内側から吹き付けます。チェーンの内側がスプロケットとかみ合うからです。今回はワコーズ CHL チェーンルブを使用しました。

 

吹き付けすぎるとオイルが飛び散ってチェーンカバー内部がドロドロになってしまいますので注意です。

リヤホイールをゆっくり手で回しながら吹き付けていきます。危険ですのでエンジンをかけて回転させるのは禁物です。

全体に注油できたら、チェーンカバーのキャップを取り付けて終了です。

チェーンやスプロケットの交換は?

以上がチェーンのメンテナンス方法でしたが、チェーンとチェーンとかみ合っている前後のスプロケットは永久に使用できるわけではありません。

チェーンが伸びてきたり、スプロケットが摩耗すれば交換する必要があります。それほど頻繁に交換する物ではありませんが、傷み具合によっては交換が必要になってきます。

 

ではどの時点で交換すればいいのかということですが、これは一概には言えません。

走行距離や経過年月、メンテナンス状況によって異なりますし、人によっても異なります。

早めに交換する方もいれば、なかなか交換しない方もいます。走行距離数千キロで交換する方もいますし、2万キロ程度走って交換する方もいますので、人それぞれです。

 

ただ、チェーンの張り具合の調整やチェーンの注油をしても車輪を回転させたときの音が大きいとか、異音がする場合は交換時期に来ていると考えていいでしょう。

また、スプロケットを目で見て摩耗しているようならやはりスプロケットも交換すべきです。

ということで、チェーンやスプロケットの交換は不具合を感じたときに交換するという形になります。

判断が難しい場合は、バイク屋さんに点検してもらってください。

おわりに

以上がチェーン関連のメンテナンス方法についてでした。

チェーンはエンジンの力をタイヤに伝える重要な部分で、走行性能を大きく左右します。

日常点検ではチェックを怠らずにベストコンディションを保つようにしましょう。

 

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