スーパーカブ110(JA44)のオイルフィルター(エレメント)の交換方法について紹介します(スーパーカブ50(AA09)やプロ(AA07、JA42)もやり方は同じです)。
新型丸目スーパーカブにモデルチェンジした目玉の一つは、交換式のオイルフィルターが装着されたことです。
従来のスーパーカブは遠心式オイルフィルターで、ストレーナーの清掃のためにはエンジンをある程度ばらす必要がありました。
しかし、新型ではオイルフィルターカバーを外すだけでオイルフィルターを交換することができますので、メンテナンス性が向上しました。
オイルフィルターの交換時期
スーパーカブ110(JA44)の場合、オイルフィルターはいつ交換すればいいのか?ということですが、オーナーズマニュアル(取り扱い説明書)には、エンジンオイルの交換時期についての記載はあるものの、オイルフィルターの交換時期についての記載はありません。
バイク購入時に一緒にもらったホンダ発行のメンテナンスノート(125㎠以下)の17ページには、オイル・クリーナ(オイルフィルターのこと)の交換時期として
- 初回1,000kmまたは1か月、以後20,000km毎(カートリッジタイプ)
- 初回1,3000km、以後12,000km毎(カートリッジタイプを除く)
と書かれています。
カートリッジタイプとは、以下の画像のようにフィルターが金属等でおおわれているタイプのもので、一般的にオイルフィルターレンチを使って取り外すタイプです。
この点に照らしてみると、JA44のオイルフィルターは、フィルターがむき出しになっているタイプなので、メーカーの定義によるとカートリッジタイプにはあたらないとのことです。
したがって、JA44のオイルフィルターの交換時期は
初回1,3000km、以後12,000km毎(カートリッジタイプを除く)
ということになります(ご不明な場合はメーカーにご確認ください)。
これよりも早いペースで交換される方も多いと思いますが、このペースだとそれほど頻繁に交換する必要はないということですね。
必要な部品
オイルフィルターを交換するのに必要なものは、新品のオイルフィルター(エレメント)とOリング(オイルフィルターカバーに装着するもの)です。Oリングも一緒に交換するのがよいでしょう。
今回使った物
今回はキタコ (KITACO) 製のオイルフィルターと3つのが一式セットになったものを使いました。
(画像クリックでアマゾンのページへ飛びます)
これはエンジンオイルとオイルフィルター交換の際に必要な3つのOリングがセットになっているので便利です。
オイルフィルター単品でもキタコ(KITACO)や、キジマ(Kijima)といったメーカーからスーパーカブ用のオイルフィルターが販売されています。
純正品は?
ちなみにホンダ純正品は以下です。
- エレメント、オイルフィルター(部品番号:15412-MGS-D21 希望小売価格750円)
- Oリング 39.8×2.2(部品番号:91302-PA9-003 希望小売価格280円)
このホンダ純正オイルフィルター(15412-MGS-D21)は、ホンダのバイクであるNC700、 CTX700、INTEGRAなどのDCT(Dual Clutch Transmission)のオイルフィルターとしても使われているものです。部品番号が同じであれば使用可能です。
バイク屋さんなどで注文するか、バイク用品店やネット通販で購入するなどの方法があります。お店に在庫がないことも多いと思いますが、その場合は注文してから届くまでにしばらく日数がかかります。
送料はかかりますが、ネット通販で在庫品を買うほうが早く手に入る場合もあります。
オイルフィルターの交換方法
具体的に交換方法について説明していきます。
単独で交換は可能か?
エンジンオイル交換をせずにオイルフィルターだけの交換が可能か試してみました(笑)。
エンジンオイルは少し垂れるので注意が必要ですが、オイルフィルターカバーを外してフィルターを外しても、オイルがたくさん抜けるということはありませんでした。
ですから、短時間で作業を終えるならエンジンオイルを抜かなくてもオイルフィルターだけを交換することは可能です(交換後は必ずエンジンオイル量のチェックはしてください)。
ただ、新しいフィルターに交換するからには、オイルも新しいほうが気持ちいいですし、一度で両方やったほうが手間も省けるので、通常はオイル交換と同時に行うのがよいと思います。
オイル交換と同時がよい
ということで、今回はオイル交換も同時に行いました。
手順としては、エンジンオイルを抜き、新しいオイルを入れる前にオイルフィルターを交換するという流れになります。
オイル交換の仕方の詳細については以下の記事をご覧ください。
スーパーカブ110(JA44)のエンジンオイル交換方法|新型の変更点とは
ここでは大まかに説明していきます。
まず廃油箱などをセットし、エンジン下のドレンボルトを外してエンジンオイルを抜きます。
オイルレベルキャップを緩めてオイルを抜けやすくします。
次にオイルフィルターカバーを留めているボルト2本を8ミリのレンチを使って外します。
中にバネが入っているのでカバーが押し出され、カバーが外れます。
カバーとバネを外すと見えるのがオイルフィルターです。上部にケースカバー切欠き部があります。
ケースカバー切欠き部とオイルフィルターの中心部分と外側部分をラジオペンチ等で挟んで引き出すと、オイルフィルターが外れます。
この時、本体側、特にOリングが接する部分を傷つけないように注意しましょう。
外したオイルフィルターはこんな状態です。よく見るとスラッジのようなものが少し付着していました。
オイルフィルターが取り付けられていたところはこんな感じになっています。
エンジンオイルとオイルフィルター交換のために外したものは以下になります。
今回使ったキタコ製オイルフィルターとOリングのセットは、ドレンキャップ、オイルレベルゲージキャップ、オイルフィルターカバーに取り付ける3種類のOリングが全て入っていますので、とても便利です。
古いエンジンオイルが抜けたら、新しいオイルフィルターを取り付けます。ゴムが付いている部分が奥になります。
オイルフィルターカバーのOリングをエンジンオイルを少し塗って新しいものと交換します。
オイルフィルターの中心にスプリングを挟んでオイルフィルターカバーを取り付けます。
このボルトはネジ径6ミリ(レンチサイズ8ミリ)のフランジボルトです。サービスマニュアルによると締め付けトルクは、12N・mです。
次にドレンボルトを締めます。こちらも新しいOリングにエンジンオイルを塗ってはめ、スプリング、オイルストレーナスクリーンと以下の画像の順番で挟んで締めていきます。締め付けトルクは、20N・mです。
ドレンボルトを締めたら新しいエンジンオイルを入れていきます。エンジンオイルを入れる量は、0.8リットル(オイルフィルターを交換しない時も同じ)です。
オイルを入れ終わったら、オイルレベルゲージをねじ込まない状態で奥まで差し込んだら、再度取り出して、チェックして規定量のオイルが入っていることを確認します。
オイルレベルゲージ/フィラキャップの新しいOリングにエンジンオイルを塗ってはめ、キャップを締めたら作業終了です。
おわりに
オイルフィルター交換についてでした。
新型スーパーカブから採用になった交換式のオイルフィルターですが、交換方法はそれほど難しくありません。
交換はそれほど頻繁に行うわけではないので、忘れないように交換時期を守ってしっかりメンテナンスしましょう。
写真もきれいで、部位は明確に認識できて、説明もわかりやすかったです。参考にさせていただきます。
今後もJA44の整備に関しての記事を期待しています。
ありがとうございました。
コメントいただき、ありがとうございます^^
そう言っていただけると、とても励みになります!
今後とも当ブログをよろしくお願いいたしますm(_ _)m
オイルフィルターの交換時期について調べていたので、情報を記載していただき助かりました。
ありがとうございます。
ただ、フィルターカバー取り付けボルトのネジ径は6mmなので、
10N・m位でいいのではないかと思います。
ご指摘いただき、ありがとうございましたm(__)m
この記事で作業イメージがしっかりできました!
いつもお店にお任せでしたが、次回は自分でやろうと思います。
こういうわかりやすい記事は本当に助かります。
ありがとうございます。
コメントいただき、ありがとうございます^^
次回はぜひチャレンジされてみてください。
こんにちは
初対面?で恐縮ですが一つ質問させてください
オイル交換時 アルミドレンボルト(ネオジム磁石付き)へ交換
使用かと思ってますがその時 スプリング、オイルストレーナスクリーンは
装着するのでしょうか? また同ボルトの効果はあるのでしょうか
すいません新型カブ歴 半年の初心者です
どうかご教授お願いいたします
コメントいただき、ありがとうございます^^
アルミドレンボルト(ネオジム磁石付き)ということは、SP武川(TAKEGAWA)製のものでしょうか?磁石で鉄粉を吸着するというものですね。興味をそそるパーツですね。
すみませんが、私はこちらのボルトを使ったことがないので詳細はわかりませんm(_ _)m おそらく詳しくは説明書に書かれていると思います(追記:TAKEGAWA製アルミドレンボルト(ネオジム磁石付)を手に入れました。オイルストレーナとスプリングはもともとバイクに付いていたものをそのまま使うようです。このアルミドレンボルトについては後日記事にしたいと思います)。その他不明点はメーカーかお店の方にお聞きになってみてください。
磁石で鉄粉を吸着してくれるとのことで、エンジンに良さそうなので私も試してみようかなと思いました(^^)
返信遅くなり申し訳ありません
オイルストレーナ&スプリングはそのまま使用なのですね
ありがとうございました
製品はTAKEGAWA製アルミドレンボルトです
手に入れられたということで、後日の記事を楽しみにします
初回オイル交換は購入したバイク屋さんでやりました
今回二回目は自分でやるべく準備しましたので近々実施します
今後も参考にさせて頂きます どうかよろしくお願いします
いえいえ、ご返信いただきありがとうございます^^
先日ちょうどオイル交換の時期でしたので、その時にこのアルミドレンボルトの取り付けをしてみました。取り付けの様子までを記事にはしたのですが、鉄粉の除去などの効果については次のオイル交換時にチェックしてみて、追記しようと思います。
今後ともよろしくお願いいたします(^^)
初めましてこんばんは。オイル交換をした後にオイルストレーナスクリーンが落ちてた事に気付き、これはなんだと困っていたところこちらのサイトを見て解決致しました。画像も綺麗で分かりやすくとても助かりました!ありがとうございます!
はじめまして。ブログを参考にしていただき、ありがとうございます!
これまでのカブとは少し違っていますのでびっくりしますよね。無事解決されたとのことでよかったです^^