この記事ではスーパーカブ110(JA10/JA44共通)のブリーザードレンの点検・清掃方法について説明します。
普段はあまり見ることのない部品かもしれませんが、走行距離が伸びるにつれて液状のものが溜まっていきます。溜めすぎはエンジンの調子が悪くなる原因となりますので定期的なチェックが必要です。
メンテナンス方法はそれほど難しくありませんので、チャレンジしてみる価値はあると思います。
ということで、今回はブリーザードレンを点検、清掃した様子について紹介します。
ブリーザードレンとは
ブリーザードレンは、エンジン内部で高圧となった排気ガスや未燃焼ガスがピストンとシリンダーの隙間から漏れ出したもの(ブローバイガス)が液化したものを溜めておく装置です。
ブローバイガスは有害なので、現在は大気に放出してはいけないことになっているため、ブローバイガスをエアクリーナー内部に戻す構造になっています。その過程で出るブローバイガスが液化したものを溜めておく装置がブリーザードレンです。
ちなみに、この規制がない時代に作られていた旧型のカブにはこの装置はついておらず、ブローバイガスホースからそのまま大気に放出する構造になっています。
ブリーザードレンは、説明書(OWNER’S MANUAL)によると年に1回点検するようになっています。エンジンの調子や乗り方にもよると思いますが、通常、短期間にそれほどたくさん溜まるものではないと考えられます。
ブリーザードレンの取り外し方
ブリーザードレンはエアクリーナーボックスの右下部分にあります。
バイクを正面から向かって右側のレッグシールド側です。
先が丸くなっているのがブリーザードレンです。手前の黒いのはエアクリーナードレンです。
エアクリーナードレンはエアフィルターの外側、ブリーザードレンはエアフィルターの内側につながっています。
取り外すためには、まずクランプをスパナなどで挟んで緩めて外します。
クランプを外すと、ブリーザードレンは手で引っ張るだけで取り外せます。
取り外す際、液状のものが溜まっていないか確認しておきます。
もし溜まっている場合はこぼれないようにウエス等を周辺に準備しておいて取り外すとよいでしょう。
点検・清掃方法
ブリーザードレンはビニールチューブです。
エンジンの熱で少し表面が劣化しているようにも思えますが、まだ大丈夫そうです。劣化が激しいときは交換します(部品番号:17227-KYY-900、価格:250円)。
この中に液状のものやその他異物が溜まっていないか点検します。
溜まっている場合は、ウエス等をねじ込んで吸い取ってきれいにします。吸い取った後は内部にホコリ等が残らないようにきれいにふき取ることがポイントです。
今回点検したのは、新車状態から5000キロほど走った状態のスーパーカブ110ですが、ブリーザードレンの内部にはほぼ何も溜まっていないきれいな状態でした。
清掃後、取り付けと逆の手順で取り付けていって作業完了です。
ブリーザードレンはエアフィルターの内側につながっていますので、取り付けが不完全ですとエアフィルターを通さない外気がエンジン内部に入る可能性がありますので、しっかりと確認しておきます。
追記:
1年以上、1万キロ以上走ったJA44のブリーザードレンには、液体が半分近く溜まっていました。年1回点検することになっていますが、走行距離が多い場合は早めに点検したほうがいいですね。
さいごに
スーパーカブ110のブリーザードレンの点検・清掃方法についてでした。
地味なパーツですが、液状のものを溜めすぎるとエンジンの調子が悪くなる可能性も考えられます。
また、この部品が取り付けられていなかったり破損していたりすると、故障の原因になるだけでなく、有害なガスを大気に放出することにもつながりますので甘く見ずにきちんとチェックすることが求められます。