スーパーカブって乗り方が独特ですよね。管理人は二輪免許を持っていてもスーパーカブのオーナーになるまで、その乗り方についてはくわしく知りませんでした。

中学生のころ新聞配達や郵便配達のカブをみて、足でガチャガチャしなければいけない難しそうなバイクというイメージのままでした。

しかし、実際に乗ってみるとそれほど難しくはないことがわかりました。

すでにスーパーカブに乗られている方、あるいは過去に乗ったことがある方にとっては基本中の基本のことですが、今回はスーパーカブの乗り方について説明してみます。

この記事ではスーパーカブ110(JA10)を使いますが、現行型(JA44)やスーパーカブ50をはじめ、昔のカブでも基本的な操作は同じです。

スーパーカブの乗りたいけど難しそうでと思っておられる方や、仕事で急に乗らなければいけなくなった方などに参考にしていただければと思います。

 

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各部の説明

スーパーカブが特徴的なのはクラッチが無いということです。

クラッチというのはエンジンの力をタイヤに伝えるか伝えないかを切り替える装置です。一般的なマニュアル式のバイクはハンドル左側にあるレバーがクラッチとなっており、ギアチェンジのたびにクラッチ操作が必要です。スーパーカブはその操作が不要ですので、その分簡単な操作で乗ることができます。

では運転操作をするために操作する各部について説明します。

メインスイッチとスタータースイッチ

メインスイッチとスタータースイッチ

ハンドル右側にあります。

アクセルとフロントブレーキレバー

アクセルとフロントブレーキレバー

ハンドル右側にあります。

ヘッドライト上下切換スイッチ、ホーンスイッチ、ウインカースイッチ

ヘッドライト上下切換スイッチ ホーンスイッチ ウインカースイッチ

ハンドル左側にあります。

上記写真の3つの赤丸部分、上からヘッドライト上下切換スイッチ、ホーンスイッチ、ウインカースイッチです。

キックスターターとリヤブレーキペダル

キックスターターとリヤブレーキペダル

車体右側足下にあります。

上記写真右側の赤丸がブレーキメダル、左側の赤丸部分がキックスターターペダルです。

チェンジペダル

チェンジペダル

車体左側足下にあります。

エンジンのかけ方

エンジンをかけるときは、メインスイッチをオンにして、ギアがニュートラルに入っていることを確認します。スピードメーターの左に「N」の緑のランプが点灯していればニュートラルになっています。

ギアが入っている状態でエンジンをかけても、アクセルを開けなければバイクが急に発信するということはありませんが、安全のため必ずニュートラルの状態でかけましょう。

ニュートラルになっていることを確認したら、ブレーキを握った状態でセルボタンを押してエンジンをかけます。

バッテリーが上がったりしてセルモーターが回らないときは、キックスターターを使ってエンジンをかけます。2,3回キックしてかかることが多いです。

 

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ブレーキの仕方

スクーターの場合は自転車(ママチャリ)と同じように両手で左右のレバーを握ってブレーキをかけますが、スーパーカブの場合は違います。

ブレーキは、ハンドルの右側のレバーフロントブレーキ右側のペダルリアブレーキで、一般的なマニュアルミッションのバイクと同じです。

つまり、ブレーキは右手右足を使ってかけます。減速するときや、停止するときは両方同時にかけます。

ただ、一般的なバイクはフロントブレーキを主体にしてブレーキをかけますが、スーパーカブの場合はリアブレーキも積極的に使うことが求められます。

スーパーカブの構造上、一般的なバイクよりもリアタイヤがロックしにくいことが理由のようです(『ココからはじめる ホンダスーパーカブ』、59頁参照)。

スーパーカブの乗り方

エンジンをかけてもギアがニュートラル状態だと、エンジンの力がタイヤに伝わりません。エンジンをかけて実際に走り出すにはギアを入れる必要があります。

ニュートラルの状態で左側のペダル前方を1回踏んで1速に入れます。その状態でアクセルをゆっくりと回すと走り出します。

ギアは4段ロータリー式

スーパーカブのギアは4段ロータリー式で、順番にニュートラル(N)、1速、2速、3速、4速に切り替えることができ、4速の状態でもう一度踏めばNに戻り、以下ループ状態で切り替えできます。

チェンジペダル前側を踏んでいけば上記の順番(N~4速)に切り替わり、後ろ側を踏めば、逆の順番に切り替わっていきます。

ただ、4速に入れて走っている状態の時に、後ろ側のペダルを踏めば3速に戻せますが、前側のペダルを踏んでもニュートラルには入らずにクラッチが切れた状態になるだけです。

完全に停止した状態で踏まないとニュートラルにはなりません。

1速~4速

では実際に動画で見てみましょう。

まずはエンジンをかけてニュートラル(N)から1速へ入れ、1速から4速までシフトアップし、タイヤを完全に停止させてからニュートラルに戻す様子です。

1速の状態で走るのはだいたい時速10キロ程度までです。走り出したらすぐにアクセルを戻し、チェンジペダルを踏んでて2速に入れます。

アクセルを戻さずにギアチェンジするとギアを替える一瞬の間、空ぶかし状態になりますので、ギアチェンジする際は必ずアクセルをいったん戻します。

スピードに応じて3速、4速へとシフトアップしていきます。

オーナーズマニュアル(OWNER’S MANUAL)によると、スーパーカブ110の各ギアの速度範囲(カッコ内は50ccモデルの数値)は以下のようになっています。

  • 1速:0~30km/h(0~15km/h)
  • 2速:0~55km/h(15~30km/h)
  • 3速:20~80km/h(20~50km/h)
  • 4速:30km/h以上(25km/h以上)

4速~1速

次は1速~4速までシフトアップしてから1速までシフトダウンし、ニュートラル(N)に戻す様子です。

シフトダウン可能限界速度(カッコ内は50ccモデルの数値)は以下のようのようになっています。

  • 4速→3速:80km/h以下(45km/h以下)
  • 3速→2速:55km/h以下(30km/h以下)
  • 2速→1速:30km/h以下(15km/h以下)

実際に走行する時は、速度の数字というよりは、エンジンの音や加速具合などで回転数を把握して、高すぎず低すぎない回転数になるようにギアを調整するとか、ギアが高すぎて加速しづらいときにギアを落としたりして調整するなど、感覚的に行うことのほうが多くなると思います。

動画では説明のために4速~1速まで順番に落としていますが、実際に走っている場面で連続して4速~1速まで順番に落として止まるということはほとんどないと思います。

スムーズに乗るコツ

スーパーカブに乗り始めの時は、ギアチェンジしたり、アクセルを回す時にカクっとなったりしてギクシャクしたり、ギアが高すぎてモッサリとした加速になったりで、スムーズに走れないことが多いと思います。

スムーズに乗るコツは、慣れるまでは以下の2点を意識的に行うとよいと思います。

1.アクセル、ギア操作は丁寧に行う

アクセルやギア操作は、スムーズになるようにゆっくり丁寧に行うとよいでしょう。

特に1~2速の時はギクシャクしやすいので気をつけましょう。

ギクシャクしないギアチェンジのタイミングやアクセルの開け方、適度に再加速できるギアの選び方などが感覚的にわかるようになるまでは各操作を意識的に丁寧に行って訓練していきましょう。

2.エンジンは適度な回転数を保つ

スーパーカブにはタコメーター(エンジンの回転数計)がありませんので、エンジンの回転数を目で見ることはできません。

しかし、エンジン音や振動でエンジンの回転数が高いのかどうかはある程度わかります。音と振動が大きくなればなるほど回転数が上がっています。

スムーズに乗るには高すぎず低すぎない適度な回転数で乗るのがコツです。ギアを上げるときは回転数が高まりすぎない時点で行うとよいでしょう。

逆にギアを下げるときはギアを一気に落としすぎないように徐々に落としていきます。

また必須ではありませんが、シフトダウンの際に高いギアと低いギアとのギャップがどうしても生じてしまうので、シフトダウンの際に回転数を合わせるために一回空ぶかしをして回転数を近づけるというテクニックもあります。

3.停止する時は必ずしもシフトダウンする必要はない

赤信号などで停止する時は、4速~1速まで順番に落として止まる必要はありません。人にもよると思いますが、毎回そのようにして止まる人はあまりいないと思います。

アクセルを戻し、4速のままブレーキをかけて停止してかまいません。完全に停止してから、4速からニュートラル(N)に入れ、1速に入れて再発進が基本と考えていいでしょう。

また、停止する地点まで少し距離がある場合は、アクセルを戻し、4速の状態でシフトペダルを踏んでクラッチを切った状態で空走しながら緩やかにスピードを落としていく方法もあります(後続車がいる場合はダラダラした運転にならないように気をつける必要があります)。

4速のまま減速中に信号が青に変わった場合などは、スピードにあわせて素早くギアを3速か2速まで落としてアクセルを開けるという方法で再加速します。

おわりに

以上がスーパーカブの乗り方とスムーズに乗るコツなどについてでした。

長々と説明してきましたが、慣れればどうってことはありません。基本的な操作を頭に入れた後は、実際に乗ってみて、感覚的にコツをつかんでいって頂ければと思います。

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