寒い季節、バイクに乗っていると手が冷たくなることがあります。冷たくなりすぎると手がかじかんで思い通りに動かせなくなったりすると、運転にも支障が出てきます。

防寒グローブやハンドルカバーなども効果的なのは確かですが、長時間走っていたり、雨が降って手が濡れたりすると、やはり手が凍えてきてしまうことがあります。

そんな時でも冷えから守ってくれるのがグリップヒーターです。ハンドルのグリップ部分にヒーターを内蔵することで手を温めてくれる部品です。

今回、グリップヒーターを取り付けましたのでその様子について紹介します。作業量が多く、難易度は高めなので、自分での取り付けはあまりおすすめしません。この記事はあくまで取り付けの過程を紹介したものです。チャレンジされる場合はサービスマニュアル等を参考にするなどして自己責任でお願いします。

 

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グリップヒーターの種類

スーパーカブ110(JA44)(スーパーカブ50(AA09)も共通)の場合、グリップヒーターは、純正品と社外品(汎用品)があります。

社外品にはグリップに巻き付けるだけのタイプの汎用品もあります。このタイプは値段も安いですし、お手軽に取り付けできます(シガーソケットなど電源をとる工夫は必要になりますが)。

また社外品でもグリップごと交換するタイプのものもあり、純正品よりも値段は安めです。

社外品もいくつか販売されていますが、今回取り付けたのはホンダ純正品のグリップヒーター(スーパーカブ50(AA09)/110(JA44)用)(部品番号:08T70-K88-J00)です。

スーパーカブ,グリップヒーター

なぜこれを選んだかというと、純正品なので安心感があることと、車種専用品なのでハーネス類やステーなど加工せずに付属品をそのまま取り付けれるからです。また、温度が5段階で調整できるのも利点です。

ということで、純正品を取り付けましたのでその方法を紹介します。

グリップヒーターの取り付け方法

純正品の場合、説明書に取り付け方法が詳しく書かれているので、わからなくなることは無いと思いますが、作業はそれなりに大変です。

以下の部品

  • センターカバー
  • ミラー
  • ヘッドライト
  • ハンドルアッパーカバー
  • スピードメーターケーブル
  • ハンドルバーウエイト(バーエンド)
  • グリップ
  • スロットルケーブル
  • フロントカバー
  • レッグシールド

を取り外す必要があり、それ加えてハンドルアッパーカバーに2か所、ロアカバーに1か所の穴あけが必要です。

中でもバーエンドの取り外し3か所の穴あけスロットルケーブルの取り外しなどは慣れていないと結構大変に感じるかもしれません。またハーネス類の加工は不要ですが、配線はそれなりに複雑です。

ですから、冒頭でも触れましたが気安くDIYでの取り付けはおすすめしません(笑)。手間と時間を考えて取り付けにはショップに任せるのも手です。

取り付けに必要なもの

取り付けに必要なものは以下です。

  • スパナ
  • プラスドライバー
  • ドリル(10mm径刃)
  • 定規
  • マーカー
  • ビニールテープ
  • ボンド(HondaボンドAなど)
  • グリス
  • 脱脂洗浄剤
  • ウエス

事前準備

取り付け作業の前の事前準備として、エンジンを切り、センタースタンドでバイクを立てます。

そしてセンターカバーを外してバッテリーのマイナス側のケーブルを取り外しておきます。

 

左右のミラーとターナーも外しておきます。

これらができたら事前準備は完了です。

 

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実際の作業

では取り付け作業について入っていきます。

まずヘッドライト斜め下左右にあるネジを2本外します。

 

中のカプラを外してヘッドライトに取り外します。

 

次に左右の前ウインカー下あたりにあるネジ2本と右側のフロントブレーキレバー横にある1本のネジを外します。

 

ハンドルグリップ付近のハンドルロアカバー下側のネジを左右とも外します。

 

ヘッドライトを外したところの奥にあるスピードメーターケーブルのナットを緩めてメーターから外します。ナットが落ちないようにビニールテープで留めておきます。

 

次はハンドルアッパーカバーのツメに注意しながら、ハンドルロアカバーと分離していきます。

以下はハンドルアッパーカバー下側(裏側)からの画像です。サービスマニュアルによると、以下の画像に表示した①、②の順番に外すように記載されています。他の爪の位置にも注意しながら外していきます。

②は、次の下の画像の右上にあるハンドルバーのグロメットにはめ込まれているボスです。

爪は上の画像のようにいくつかあるので、注意が必要です。特に向かって右の左ウインカーランプ周辺の爪は気を付けました。左ウインカーランプを取り外してから行うほうがよかったかもしれません。

 

ハンドルアッパーカバーが外れたら、本体をつないでいるカプラーを外して、ハンドルアッパーカバーを車体から取り外します。

 

ハンドルアッパーカバーを裏返しにすると、左右のウインカー近くに「+」の印(ケガキ部)があるので、その部分を10mm径刃のドリルで穴を開けます。

 

ハンドルロアカバーの左側ウインカー横にも「+」の印(ケガキ部)があるので、その部分も10mm径刃のドリルで穴を開けます。

 

合計3か所の穴開けが必要になります。

ドリルでの穴開け後はヤスリなどでバリを落としておきます。

 

次に左右のハンドルバーウエイト(バーエンド)を外します。

プラスドライバーで回すだけではバーの中のインナウエイトも一緒に回ってしまって外せません。

そこでプライヤーなどでハンドルバーウエイトをはさみ(キズが付かないように工夫しながら)、固定してスクリュを回して緩めていきます。

それでもうまくいかない場合は、ハンドルバーウエイトを少し引き出し、切れ込み部分にモンキーレンチなどを挟んで固定してみるのでもいいと思います。

 

次はハンドル右側にあるアッパスロットルハウジングを外します。

 

次にスロットルケーブルを右側グリップから外すわけですが、ハンドル側だけでは外せませんので、エンジン側にあるスロットルボディに固定されている二本のスロットルケーブルを緩める必要があります。

そのためにはレッグシールドなどを外す必要があります。レッグシールドの外し方は以下の記事に書いています。

スーパーカブ110(JA44)のレッグシールドの取り外し方

 

レッグシールドを外せたら、エンジン左側付近のスロットルボディに固定されているスロットルケーブルを緩めていきます。締め付けられている位置が分かるように印などをつけておきました。事前に写真を撮っておくのもよいです。

 

こちら側を緩めることで、グリップにつけられているスロットルケーブルが取り外せます。

取り外せたら、スロットルケーブルとインナグリップにグリスを塗り、右側グリップヒーターを取り付けていきます。

スロットルの遊びが適切か確認しながら、スロットルボディ側のケーブルを元の位置で固定しなおします。

 

次に左側のグリップを抜き、脱脂洗浄剤で付着している接着剤を取り除きます。

 

左側ハンドルパイプにボンド(HondaボンドA)を付け、左側のグリップヒーターの内側とハンドルパイプに脱脂洗浄剤をスプレーして左側グリップヒーターを差し込みます。

 

ハンドルロアカバーに開けた穴にハーネスとグロメットを差し込みます。

 

説明書の通りハーネス類を束ねて配線をしていき、右側グリップヒーターのハーネスとグロメットをハンドルアッパーカバーに開けた穴に差し込みます。

 

付属のヒータースイッチのハーネスとグロメットもハンドルアッパーカバーに差し込み、配線をします。

 

配線を確認した後、作動チェックをしてみると、OKのようです。

 

カバー類とヘッドライトを元通りに取り付け、ヒータースイッチを左側ミラー部分にステーを取り付けて固定します。

 

ハンドルウエイトは、左右とも付属のスペーサーを挟んで取り付けます。

 

ネジの締め忘れなどがないか確認して終了します。

おわりに

今回の取り付けはそれなりに大変でしたが、無事に完了できました。

グリップヒーターは寒い季節にはかなり重宝します。今回取り付けたホンダ純正品のグリップヒーター(スーパーカブ50(AA09)/110(JA44)用)も快適に手を温めてくれます。5段階で温度調整ができ、グローブをしていても温かさを感じることができ、とても快適です。

ただ、本当に寒いときはハンドルカバーやナックルガードなどを取り付けて手の部分に風が当たらないようにするのがベターです。

防寒グッズを併用するなど工夫をすれば防寒対策はばっちりです。

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